振袖の柄につかわれている菊の花…ほんとは縁起のいいものだった!? 熊谷行田店
振袖の柄に込められた美しい願い:菊だけじゃない!実は縁起の良い文様たち
こんにちは!熊谷行田店の細井でございます。
いよいよ本格的な夏、真只中皆様いかがお過ごしでしょうか?
私たちは日々、素敵な振袖との出会いを心待ちにされているお客様の笑顔に触れ、幸せを噛みしめています。
今回は、多種多彩に巡る振袖の柄について「この柄にはどんな意味があるのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
華やかで美しい振袖には、実はひとつひとつの柄に深い意味や願いが込められているのです。
今回は、皆様がよく目にされる「菊」の柄に隠された素敵な秘密から、その他にも振袖に描かれる「縁起の良い柄」を、振袖店の店長として、そして皆様に寄り添う気持ちを込めて、たっぷりとご紹介させていただきます。
振袖は、日本の伝統文化の結晶であり、成人という人生の大きな節目を彩る特別な衣装です。
その美しさはもちろんのこと、柄に込められた想いを知ることで、振袖選びがさらに楽しく、意義深いものになることと思います。どうぞ最後までお付き合いくださいね。
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菊の花…ほんとは縁起のいいものだった!?その由来と魅力に迫る
振袖の柄として定番中の定番である菊(きく)の花。
秋の代表的な花として知られていますが、「お供えの花」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、実は菊は、古くから大変縁起の良い花として尊ばれてきた、素晴らしい文様なのです!
菊が縁起の良い柄とされる理由
菊が縁起の良いとされるのには、いくつかの理由があります。
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長寿・不老不死の象徴
菊は、その清らかな美しさから邪気を払い、生命力を高めると信じられてきました。
中国の故事には、菊の露を飲んで不老不死になったという仙人の話が残されており、そこから長寿や無病息災の象徴とされています。
日本でも古くから薬草としても重宝され、延命長寿の効能があると信じられてきました。 -
高貴さ・格調高さの象徴
日本では、飛鳥時代に中国から伝わり、平安時代には貴族の間で観賞用として親しまれました。
特に天皇家の紋章(十六八重表菊)にも用いられていることから、非常に高貴で格調高い花として位置づけられています。
その美しさ、品格から、日本の国花としても指定されているのですよ。 -
邪気払いの意味
旧暦の9月9日は「重陽の節句」といい、菊の節句とも呼ばれます。
この日には、菊の花を浮かべたお酒を飲んだり、菊を飾ったりして邪気を払い、長寿を願う風習があります。
これは、菊が持つ独特の香りが邪気を遠ざけると考えられていたためです。
菊柄の振袖

振袖における菊の表現
振袖に描かれる菊は、写実的なものから様式化されたものまで、実に多様です。
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八重菊(やえぎく)
:花びらが幾重にも重なった、豪華で華やかな菊。
豊かさや繁栄を意味します。 -
乱菊(らんぎく)
:風になびくように自由な曲線で描かれた菊。
動きがあり、モダンな印象を与えます。 -
小菊(こぎく)
:小さく可愛らしい菊が群れ咲く様子。
可憐さや健やかさを表現します。 -
懸崖菊(けんがいぎく)
:崖から垂れ下がるように咲く菊。
大胆な構図で、迫力があります。
色合いも、白、黄、紫、赤など様々で、それぞれの色にも意味が込められています。
例えば、白菊は清らかさ、黄菊は豊かさ、紫菊は高貴さを表すなど、色と形、配置によって、振袖全体の印象を大きく左右します。
現代の振袖では、古典柄として忠実に描かれる菊の他に、グラデーションや金彩、刺繍を施すことで立体感や光沢を出し、より現代的な美しさを追求したデザインも多く見られます。
また、菊の丸いフォルムを抽象的にデザインし、モダンな雰囲気の中にさりげなく伝統を取り入れた振袖も人気です。
「お供えの花」というイメージから、もしかしたら少し敬遠されていた方もいらっしゃるかもしれませんが、菊は長寿と繁栄、そして高潔さを願う、まさに晴れの日にふさわしい吉祥文様(きっしょうもんよう)なのです。
ぜひ、お嬢様方の未来が、菊の花のように美しく、長く輝き続けることを願って、袖を通してみてはいかがでしょうか。
振袖を彩る、その他の縁起の良い柄たち
菊の他にも、振袖にはたくさんの縁起の良い柄が描かれています。
それぞれの柄に込められた意味を知ることで、振袖選びがより一層、思い出深いものになりますよ。
今回は、特によく使われる五つの吉祥文様をご紹介しましょう。
桜柄の振袖

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桜(さくら)
「日本の花」といえば、やはり桜ですよね。
振袖にも欠かせない、非常に人気の高い柄です。
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由来と意味
桜は、古くから日本人の心の象徴とされてきました。
春の訪れとともに一斉に咲き誇り、潔く散るその姿は、物事の始まりを告げ、豊かさや繁栄、そして新しい門出を意味します。
また、短い期間に美しく咲き誇ることから、人生の華やかさや青春の輝きを象徴するとも言われています。
稲作文化が栄えた日本では、桜の開花が豊作を占う目安とされ、神が宿る神聖な木としても崇められてきました。 -
具体的な描写
振袖に描かれる桜は、満開の様子を描いたものから、花びらが舞い散る様子、つぼみが膨らむ様子など、様々です。
- 八重桜(やえざくら):花びらが幾重にも重なり、豪華絢爛な印象を与えます。
- 枝垂桜(しだれざくら):枝がしなやかに垂れ下がり、優雅でたおやかな美しさを表現します。
- 古典的な桜:花の中心に雄しべが描かれ、写実的ながらも様式化された美しさがあります。
- 桜吹雪(さくらふぶき):桜の花びらが風に舞い散る様子。
ドラマチックで動きのある柄です。
色合いも、淡いピンクから濃いピンク、白などグラデーションをつけたり、金彩で縁取ったりすることで、その美しさを際立たせています。
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現代の振袖での表現
- 現代の振袖では、写実的な桜だけでなく、デフォルメされた可愛らしい桜や、大輪の桜を大胆に配置したモダンなデザインも人気です。洋花や他の古典柄と組み合わせることで、より華やかで個性的な印象を与える振袖も増えています。
特に、金駒刺繍(きんこまししゅう)で桜の輪郭を縁取ったり、パールやラメを施して花びらにきらめきを与えたりすることで、現代的なエレガンスを表現しています。
枝垂桜柄の振袖

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鶴(つる)
長寿の象徴として、大変縁起の良い鳥である鶴。
おめでたい席には欠かせない文様です。
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由来と意味
「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、鶴は非常に長寿な鳥とされています。
夫婦仲が良く、一生添い遂げることから、夫婦円満や長寿、そして平和の象徴とされてきました。
また、その優雅な姿から「吉祥の鳥」と呼ばれ、幸運を運ぶとも信じられています。
雲の上を舞う姿は、天と地を結ぶ神聖な存在とも捉えられてきました。 -
具体的な描写
振袖に描かれる鶴は、翼を広げて空を舞う「飛翔鶴(ひしょうづる)」、二羽が向かい合う「夫婦鶴(めおとづる)」、群れをなして飛ぶ「群れ鶴(むれづる)」など、様々な姿で表現されます。
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飛翔鶴
:大きく翼を広げ、力強く羽ばたく姿は、未来への飛躍や発展を願う意味が込められています。
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夫婦鶴
:二羽が寄り添い、向かい合う姿は、仲睦まじい夫婦の姿を象徴し、良縁や家庭円満の願いが込められています。
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丸鶴(まるづる)
:円形にデザインされた鶴。
無限の広がりや永遠を表します。
羽の質感や目の鋭さまで、細部にこだわって描かれることが多く、金糸や銀糸、刺繍で表現されることで、その荘厳さが際立ちます。
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現代の振袖での表現
古典柄の振袖には、写実的で大きく描かれることが多いですが、最近では、背景に溶け込むような線画の鶴や、可愛らしいデフォルメが施された鶴など、モダンなデザインも見られます。
また、金彩や箔押しで光沢を出し、豪華さを強調し、地紋に鶴の柄を織り込んで、見る角度によって柄が浮き上がるような工夫がされている振袖もございます。
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松竹梅(しょうちくばい)
おめでたい柄の代表格「松竹梅」。
お正月飾りなどでもおなじみですよね。
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由来と意味
松、竹、梅は、それぞれ寒い冬の間も緑を保ち、あるいは花を咲かせることから、忍耐力や生命力、そして長寿や吉祥の象徴とされています。
- 松(まつ):一年中緑を保ち、寒い冬にも耐えることから、不老長寿や繁栄、節操の象徴とされます。
また、「待つ」に通じることから、福を招き入れるという意味も持ちます。 - 竹(たけ):まっすぐに伸び、折れることなくしなやかに風に揺れることから、成長、誠実さ、弾力性、そして子孫繁栄を意味します。
- 梅(うめ):厳しい寒さの中でいち早く花を咲かせ、良い香りを放つことから、気高さ、生命力、開運、忍耐力の象徴とされます。
この三つが組み合わされることで、より一層縁起の良い意味合いが強まります。
- 松(まつ):一年中緑を保ち、寒い冬にも耐えることから、不老長寿や繁栄、節操の象徴とされます。
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具体的な描写
松は、針葉が密に生え、どっしりとした幹とともに描かれることが多いです。
竹は、まっすぐ伸びる幹や笹の葉で表現されます。
梅は、五弁の花びらを持つ可愛らしい姿で描かれ、つぼみと開花した花が混在することもあります。
松の緑、竹の緑、梅の白やピンク、赤といった色彩のコントラストも美しく、金彩や刺繍で立体感を出すことで、より奥行きのある表現がされています。 -
現代の振袖での表現
- 松竹梅は、古典的な振袖に多く見られますが、最近では、モダンな配色で描かれたり、一つ一つの要素をデフォルメして可愛らしく表現されたりする振袖も登場しています。特に、松の葉を抽象的なラインで表現したり、竹をグラフィカルにデザインしたりと、伝統柄を現代的に解釈したデザインが注目されています。
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宝尽くし(たからづくし)
様々な宝物を集めた、見ているだけで楽しくなるような文様が宝尽くしです。
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由来と意味
宝尽くしとは、金運や開運を招くとされる縁起の良い宝物を集めた文様です。
室町時代以降、吉祥文様として発達しました。- 打出の小槌(うちでのこづち):振れば願いが叶うとされる、富と幸運の象徴。
- 宝珠(ほうじゅ):意のままに宝を生み出すとされる、災いを防ぎ福を招く宝。
- 丁字(ちょうじ):漢方薬の原料にもなる香辛料で、富と健康の象徴。
- 隠れ蓑(かくれみの)・隠れ笠(かくれがさ):身を隠し、災難を避ける、また願いを叶えることができるとされる。
- 金嚢(きんのう):金銭を入れる袋。富を象徴します。
- 巻物(まきもの):知識や知恵、福徳を表します。
- 七宝(しっぽう):円形を重ねた文様で、無限の広がりや円満を表します。
これらの宝物が組み合わされることで、富や繁栄、幸福、そして開運招福といった、たくさんの良い願いが込められています。
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具体的な描写
様々な宝物が、まるで散りばめられたかのように賑やかに描かれています。
それぞれの宝物は、細部にわたって丁寧に描写され、金彩や刺繍、色とりどりの糸で表現されることで、豪華さと楽しさを際立たせています。
柄の配置や大きさも様々で、大胆に一つ一つの宝物を大きく描いたものから、地紋としてさりげなく配置されたものまであります。 -
現代の振袖での表現
現代の振袖では、宝尽くしをモチーフにしたポップで可愛らしいデザインも人気です。
伝統的な色使いに加え、パステルカラーやビビッドな色を取り入れたり、それぞれの宝物をキャラクターのようにデフォルメしたりすることで、若々しく個性的な印象を与えます。
また、金箔や螺鈿(らでん)を使って、宝物のきらめきを表現するなど、より華やかな演出が施されている振袖もございます。
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熨斗(のし)
華やかで流れるような曲線が美しい熨斗(のし)の文様も、振袖によく使われます。
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由来と意味
熨斗は、もともとアワビを薄くのばして乾燥させた「のしアワビ」を起源とします。
これは、古くから長寿の象徴であり、神様へのお供え物として用いられていました。
現代では、贈答品に添える「熨斗紙(のしがみ)」として使われるように、お祝いの気持ちや人と人との絆、長寿を意味します。振袖の柄としては、細長い帯状の文様が複数束ねられて描かれることが多く、これを「束ね熨斗(たばねのし)」と呼びます。
束ね熨斗は、その名の通り、たくさんの熨斗を束ねた様子を表しており、たくさんの福を呼び込む、人とのご縁を結ぶ、そして長寿や繁栄を分かち合うという意味合いが込められています。 -
具体的な描写
熨斗は、流れるような美しい曲線で描かれることが特徴です。一本一本の熨斗の中には、桜、梅、菊、松竹梅、七宝などの縁起の良い柄が描かれており、まさに「柄の中に柄」が凝縮されたような、非常に手の込んだ文様です。
色使いも豊かで、鮮やかな色彩のコントラストが振袖全体の華やかさを一層引き立てます。
金彩や刺繍で立体感を出し、より豪華な印象を与えるものも多くあります。 -
現代の振袖での表現
- 現代の振袖では、熨斗を大胆に配置し、背景に広がるようにデザインされたものが人気です。
熨斗の中に描かれる柄も、古典柄だけでなく、洋花や幾何学模様を取り入れることで、よりモダンで個性的な印象を与える振袖も増えています。
また、熨斗の線自体をラメやパールで装飾したり、グラデーションにしたりして、動きと光沢感を出すことで、現代的な感覚に合った華やかさを演出しています。
熨斗目柄の振袖

振袖は日本の伝統文化の結晶
いかがでしたでしょうか?振袖に描かれている一つ一つの柄には、それぞれに奥深い意味と、お嬢様の未来への素敵な願いが込められていることがお分かりいただけたかと思います。
振袖は、日本の伝統文化の結晶であり、成人という人生の大きな節目を飾る、まさに「晴れの舞台の衣装」です。
着物に描かれる柄は、単なるデザインではなく、古くから人々が大切にしてきた自然への畏敬の念や、家族の健康、幸福、そして未来への希望といった、温かい想いが込められています。
お嬢様がこの振袖に袖を通す時、その柄に込められた意味を知ることで、きっとご両親様やご家族の深い愛情を感じ、日本の美しい伝統文化を肌で感じていただけることでしょう。
私たちファーストコレクションでは、お客様一人ひとりの個性に寄り添い、最高の一枚を見つけるお手伝いをさせていただいております。
今回ご紹介した柄以外にも、振袖にはたくさんの素敵な文様がございます。
それぞれの柄が持つ意味や魅力を知り、ご自身の晴れの日を彩るにふさわしい一枚を、ぜひじっくりと選んでみてください。
ご試着はもちろん、振袖に関するご相談だけでも大歓迎です。
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皆様のご来店を、心よりお待ちしております!
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