【振袖ってどんな着物?】振袖と浴衣やほかの着物は何が違うの?
成人式には「振袖」を着ることになっているけれど、そもそも「振袖」ってどんな着物なの?という素朴な疑問にお答えします。
振袖がどんな着物かを理解すると、振袖がもっと好きになって、振袖を選ぶのも楽しくなりますよ!
- >>「着物」にはTPOがあります
- ■カジュアル着物とフォーマル着物
- ■振袖は「未婚女性の第一礼装」
- >>振袖ってどんな着物?
- ■華やかさと品格のある装い
- ■留袖や訪問着との違いは?
- ■振袖は帯結びも華やか!
「着物」にはTPOがあります
振袖は日本の伝統的な装束である「着物」の一つです。
一番身近な着物として、「浴衣」を思い浮かべるのではないでしょうか? 浴衣と振袖は基本的には同じ形をしています。
でも、成人式に「浴衣」では出席しませんよね!
浴衣のほかにも、小紋(こもん)などのカジュアル着物や、訪問着、留袖など様々な種類の着物があり、それぞれに着用シーンが決まっています。
「TPO」を考えたとき、成人式というお嬢様の「晴れの日」に最もふさわしい着物は「振袖」です。
■カジュアル着物とフォーマル着物
着物のTPOを理解するために、まず「カジュアル着物」と「フォーマル着物」に分けると便利です。
「カジュアル着物」は、普段着の着物として基本的に自由に楽しむことができますが、「フォーマル着物」には様々な決まりごとがあるからです。
「カジュアル着物」は、近所に買い物に行ったり、家族や友達とランチを楽しんだり、ちょっとしたお出かけの時に着ます。
浴衣は綿(コットン)生地で作られているものが多く、もともとは風呂上りに着るパジャマのようなものでした。浴衣は襦袢なしで着るのが普通ですが、近年では夏用のカジュアル着物として定着しつつあります。
カジュアル着物には、このほかにも、正絹やポリエステル生地の小紋(こもん)着物、木綿の着物、ウールの着物などがあります。
カジュアル着物は、結婚式などのフォーマルシーンでは着用しません(江戸小紋など色無地に近い小紋着物は、紋を入れて礼装とする場合があります)。
一方、「フォーマル着物」は、結婚式や成人式などの「フォーマルシーン」に着る着物で、「礼装」とも呼ばれます。
フォーマル着物は、着ていく場所や、着る人の立場・年齢などによって、着られる着物の「格」が決まっています。
フォーマルシーンは、人生の節目にあたる厳粛な儀式の場です。古いしきたりや慣習は面倒に感じられるかもしれませんが、他にも多くの列席者がいる場でもありますので、TPOに応じた装いが社会の一員としてのマナーです。
■振袖は「未婚女性の第一礼装」
振袖は、「フォーマル着物(礼装)」の一つです。
「礼装」にもいくつかの「格」がありますが、振袖はその中でも格式の高い「第一礼装」にあたります。
成人式は、二十歳を迎えた若者の門出を祝う大切な「通過儀礼」です。
人生において重要な儀式を表す『冠婚葬祭』という言葉もありますが、このうちの「冠」は成人式のことです。
お嬢様の大切な「二十歳の記念日」は、ぜひ「未婚女性の第一礼装」である振袖でお祝いしましょう!
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振袖ってどんな着物?
■華やかさと品格のある装い
「振袖」の最大の特徴は、何といっても袖丈の長さです。膝下にまで届く長い袖は、見た目にもとても華やかです。
振袖は、袖丈によって「大振袖(本振袖)」「中振袖」「小振袖」に分けられます。袖丈が114cm~125cmほどもある「大振袖」は、花嫁衣裳として着用されるものです。
成人式に着用する振袖は、袖丈が100cm~110cmぐらいの「中振袖」が一般的です。
袖丈85cmぐらいでやや短めの「小振袖」は、卒業式の袴に合わせることが多く、学生らしいアクティブな印象です。
もちろん「中振袖」に袴を合わせることもできますので、成人式用にご購入された「中振袖」は卒業式にも着ることができますよ!
振袖は、縫い目をまたいでつながる「絵羽模様(えばもよう)」になっているのが普通です。
友禅染めや、絞り染め、金銀彩や刺繍など、職人さんの手による伝統技法の豪華な振袖もたくさんあります。
最近では無地調のシンプル系振袖も人気ですが、振袖ならではの総柄で華やかなデザインも振袖の魅力の一つです。シンプルデザインの着物はこれからも着る機会があるので、振袖はやっぱり華やかなデザインの物を選ぶ!という考え方もありますね。
■留袖や訪問着との違いは?
振袖は女性の「フォーマル着物」の一つですが、結婚後には着用しません。女性のフォーマル着物には、振袖のほかにも、留袖や訪問着などがあります。
「既婚女性の第一礼装」は黒留袖です。
結婚式で新郎・新婦の親族や仲人が着用するのが黒留袖です。なお、黒以外の地色の「色留袖」は未婚女性でも着用することができます。
留袖は裾にだけ模様があるのが特徴で、おめでたい柄などの「絵羽模様」になっています。
訪問着は、留袖よりも幅広いシーンに着用できる「準礼装」の扱いとなります。
訪問着の柄のつけ方も、振袖や留袖と同様に格式の高い「絵羽模様」です。
柄の少ない訪問着は、一見すると色留袖との違いがわかりにくいかもしれませんが、袖や肩、襟など裾以外に柄が入っているのは訪問着です。
留袖や訪問着の袖丈は、標準的な着物の袖丈である49cm前後です。振袖のデザインにもよりますが、振袖の袖丈をつめれば「訪問着」として着ることも可能です。
振袖をレンタルするか購入するかお悩みでしたら、ご購入された振袖はご結婚後まで意外と長く着られるというメリットがありますよ!
お嬢様の成人式に合わせて家族写真を撮るなら、お母様もご一緒に着物をお召しになってはいかがでしょうか?
その場合におすすめなのが「訪問着」です。いせや呉服店では、訪問着を含めた呉服一般を幅広く取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
もちろん、お嬢様の前撮りに合わせて、お母様向けの訪問着のレンタルも承っております。
■振袖は帯結びも華やか!
振袖、留袖、訪問着などの「フォーマル着物」には、帯も格式の高い「袋帯」を合わせます。
留袖や訪問着などでは、袋帯を「二重太鼓結び」にしますが、振袖の場合は様々な変わり結びを楽しむことができます。
振袖用の結び方として、昔からある「ふくら雀」「立て矢」「文庫結び」などのほかにも、着付け師さんが考案した様々な変わり結びがあります(袋帯の厚みや長さによってはできない結び方もあります)。
ただし、結び方によっては、袋帯に折りジワが残って、通常の二重太鼓結びができなくなることがあります。成人式の後も、訪問着などに合わせて長く着用される予定がある場合はご注意ください。
成人式の前撮りや当日の着付けで、ご希望の帯結びがある場合は、お気軽にスタッフにご相談くださいませ。
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[いせやグループ・ファーストコレクション 広報担当 高橋]
ファーストコレクション熊谷行田店は、深谷市の老舗呉服店「いせやグループ」の振袖専門店です。 振袖は、お嬢様の「二十歳のお祝い」という晴れの日にふさわしい特別な着物です! お気に入りの振袖を見つけて、思い出に残る成人式にしてくださいね♪