【振袖小物の選び方】振袖用の帯締めの種類や結び方を徹底解説します!

                        「帯締め」は、帯をしっかり固定するための「着付け小物」ですが、着物のコーディネートを彩る「装飾品」としての楽しみもあります。
紐のような物だというのは知っているけど、実際には見たことも触ったこともない!という方も多いですよね。
振袖用の小物として使われる「帯締め」の種類や結び方などについて、詳しくお伝えいたします。

>>「帯締め」ってどんな物?
■着付け小物としての「帯締め」
■装飾品としての「帯締め」
■帯締めの結び方は?
>>振袖用の帯締めの種類と結び方
■組紐の帯締め
■「丸ぐけ」の帯締め
>>帯締めの選び方

「帯締め」ってどんな物?

                   

■着付け小物としての「帯締め」

着物を着る時には、帯を締めますね。名古屋帯や袋帯を結んだら、最後に帯締めを結んで、帯をしっかり固定しなくてはなりません。
なお、浴衣などに合わせる半幅帯やへこ帯には、帯締めは必要ありません。
このように、「帯締め」は着付けのためのマストアイテムですので、紐なら何でも良いという訳ではありません。
「帯締め」にはいくつか種類がありますが、どれも着付けに必要な「長さ」と「強度」を備えた物になっています。
振袖用の帯締めの長さは通常タイプが約150cmですが、変わり結びもできる長尺タイプとして170cm~190cmぐらいの物もあります。

                   

■装飾品としての「帯締め」

帯締めは、前帯の真ん中を横切るように結びます。実際に結んでみると意外と存在感がありますので、振袖コーディネートにおいては重要なポイントになります。
ママ振袖などでは、帯締めと帯揚げなどの小物類をかえるだけで、コーディネートが見違えるようになることもしばしばです。
なお、帯締めには振袖などの礼装向きの物と、普段着物向きの物がありますので、成人式の振袖にふさわしい帯締めを選ぶようにしてくださいね!
礼装用の帯締めは、金銀糸や刺繍などが入ってとても華やかです。振袖用の帯締めには、帯飾りがついている物などもよく使用されます。

装飾品としての「帯締め」                    

■帯締めの結び方は?

最も一般的な帯締めの結び方は、「本結び」といって、のし袋についている水引の「結びきり」と同じです。
帯締めの真ん中を背中側に当てて、ゆるまないように両端を前に持って行き、中央で「本結び」をしてから、余った両端を一本目の帯締めに挟み込みます。
振袖の着付けでは、結び目を様々にアレンジした変わり結びを楽しむことができますが、帯締めの種類や長さによってはできない結び方もありますのでご注意ください。

振袖用の帯締めの種類と結び方

■組紐の帯締め

帯締めの中でも最もよく使用されているのが「組紐」です。組紐は人や物との縁を結ぶ「縁起物」とされています。
数年前に大ヒットした映画『君の名は。』でも、主人公の二人の縁を結ぶ重要なアイテムとして、「組紐」が印象的に描かれていましたね!
組紐には伝統的な「組み方」がたくさんありますが、ここでは振袖用に用いられる代表的な物をご紹介します。

●平組
表面が平たい形状の「組紐」です。振袖用の帯締めとしては、幅が約13mm(四分紐)または、それ以上の幅広タイプが一般的です。
平組の帯締めは、細かくきっちりと組まれており硬くてほとんど伸縮しません。また、平面で固定するのでしっかり締まって安心感があります。
硬くて平たい形状のため、帯締めの基本の結び方である「本結び」以外の結び方はできません。
平組の帯締めには、矢羽根のような模様の「笹浪組」、緻密な組み模様が美しい「高麗組」など、組み方によって様々なデザインがあり、刺繍が施された物もあります。
平組の帯締めは「丸組」よりも格上とされていますので、古典柄の振袖や袋帯のデザインを引き立てる格調高い着こなしにおすすめです。
平組のシンプルさを生かして、モダンなデザインの振袖に合わせてもいいですね。トレンドのワントーンコーデにもよく合います。
結び目を隠してさらにシンプルなラインとして見せたり、大振りの帯留めを合わせたりしても素敵ですよ!

平組

●丸組
断面が丸くなるように立体的に組んだ組紐が「丸組」です。一般的な丸組の帯締めは平組よりも格が下がりますが、華やかな帯飾りなどがついた振袖用の丸組帯締めを使用することができます。
断面が丸いのでコロコロしやすく、結んだ時の「安定感」は平組には及びません。着付けの難易度としては平組よりも難しくなりますが、振袖の場合は、プロの着付け師さんがしっかり結んでくれるので大丈夫ですよ!
また、丸組の帯締めは、柔らかくて結びやすいため、様々な変わり結びができるというメリットがあります。
振袖用の丸組の帯締めはアレンジ結びができるように、通常の帯締めよりも長く作られています。
結び目がたくさん並んだ「藤結び」や、花びらのように結ぶ「桜結び」のほか、「ハート結び」や「クローバー結び」など、色々なアレンジ結びを楽しめますよ!
ご希望の結び方がある場合は、スタッフや着付け師さんに相談してみてくださいね。

丸組

■「丸ぐけ」の帯締め

組紐の帯締めと並んで、振袖用の帯締めとして使用されるのが「丸ぐけ」の帯締めです。和裁の手技に「くけ縫い」という縫い方があります。生地の中心に綿や布の芯をつめて、筒状に丸くくけ縫いにするのが「丸ぐけ」です(言いづらい言葉なので、「丸くげ」と呼ばれる場合もあります)。
「丸ぐけ」の帯締めは普段着物用にも使用されますが、振袖などの礼装には、正絹生地の太めの物を使います。
ちなみに、花嫁衣裳の「白無垢」姿には純白の「丸ぐけ」帯締めを合わせます。七五三の女児のお祝い着にも、赤やピンクの子供用の丸ぐけが使われます。
綿が入っているのでふっくらした感触ですが、太さのあるタイプなら結んだ時にも安定感があります。
使用される生地は、地紋入りのつややかな正絹生地のほか、ちりめん地、刺繍入りの生地などがあります。
シンプルなタイプの丸ぐけは、レトロな雰囲気の振袖によく合います。大正ロマン風の振袖コーデにもおすすめです。
丸ぐけ帯締めの結び方は「本結び」が基本ですが、苧環(おだまき)などの帯飾りや、丸組の長い房がついたタイプもありますので、今っぽい華やかなアレンジ結びにすることもできますよ!

「丸ぐけ」の帯締め

(こちらの帯締めは、丸ぐけと丸組が合わさったタイプ。ふんわりしているほうが丸ぐけ)。

帯締めの選び方

帯締めにはいろいろな種類がありますので、振袖のデザインやなりたいスタイルに合わせて、お好きなタイプ・色柄の物を選びましょう!
帯揚げとセットになっている物も多いですが、帯締めと帯揚げを別々に選ぶことも可能です。

帯締めの選び方によって、コーディネートの印象ががらりと変わりますので、おしゃれな着こなしのために、ぜひ帯締め選びにもこだわってみてくださいね! 店舗スタッフにもお気軽にご相談くださいませ。

帯締めの選び方

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[いせやグループ・ファーストコレクション 広報担当 高橋]

ファーストコレクション熊谷行田店は、深谷市の老舗呉服店「いせやグループ」の振袖専門店です。
当店では、帯締めや帯揚げなどの和装小物も種類豊富に取り揃えております。お手持ちの振袖に合わせて単品でもご購入いただけますので、お気軽にご来店くださいませ!